建設業許可の要件について 第5回
前回に引き続き、専任技術者についてご説明いたします。(2)専任技術者に必要な資格や経験
専任技術者に必要な資格や経験はA.一般建設業許可とB.特定建設業許可とでは異なります。また取得しようとする建設業の種類によっても異なります。
A.一般建設業許可の場合
一般建設業許可の場合は下記のいずれかに該当することが必要です。
➀国家資格等を有すること
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた国家資格等を有する者であること。
※該当する資格について、国家資格者等の場合は合格証明書または免許証の原本の提示が必要です。
②実務経験が10年以上あること
許可を受けようとする建設業種について10年以上の実務経験を有する者
③学歴+実務経験があること
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた学歴を有し、一定(3年以上もしくは5年以上)の実務経験を有する者
B.特定建設業許可の場合
特定建設業については、より高度な資格や経験が必要となり、要件がかなり厳しくなっています。下記の2つのうち、いずれかに該当することが必要です。
➀国家資格等を有すること
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた国家資格等を有する者であること。一般建設業許可の場合よりも高度な資格が必要です。
②一般建設業の要件クリア+指導監督的経験をもっていること
一般建設業の要件(①~③のどれか)に該当し、かつ、許可を受けようとする建設業種において、元請として4,500万円以上の工事を2年以上指導監督した経験を有する者
<まとめ>
専任技術者に必要な資格や経験は以上となりますが、建設業の許可申請には、専任技術者に必要な資格や経験は書面で証明する必要があります。国家資格等により専任技術者の要件を満たす場合、合格証明書や免許証の原本を提示することで、その証明になります。然しながら、実務経験を証明するとなると、例えば一般建設業場合は10年以上の実務経験を請負工事の契約書や注文書で証明することになり、実務経験を積んだ建設会社における大量の書類が必要となります。この書類集めは相当苦労することになります。建設業許可の取得をお考えになる場合は、出来れば必要な国家資格を取得しておくか、上記の実務経験を証明する書類を事前に準備しておくことをお勧めします。
2022年02月24日 15:38